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童司いわくあきらとは
 あきらについて、あらためて何か書けと言われてもなにを書いていいのかわからないのだけれど、そういえば人前で父のことを"あきら"と呼び捨てにするとびっくりされることがある。
「童司君、お父さんのこと呼び捨てにしてええのん?」
こう言われるといつも僕はちょっと困ってしまう。

だって、いままでずっとそう呼んできたから。
 小さい頃他の家の子どもたちはみんな"お父さん"とか"パパ"と呼んでいるのはもちろん知っていたけど、法律上僕の父ということになるあの人にはお父さんやパパといった語感がかけ離れすぎている気がしていた。第一本人も絶対自分の事だとわからないと思う。人混みで「お父さーん!」って叫んでも自分の子だと気づいてもらえないだろう。

 僕とあきらはそんな関係だ。
父とか、息子とか、先輩とか、弟子とかじゃなく。
昔も今も、こんな感じだ

   
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