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狂言は、室町時代に成立した古典芸能……といってもかた苦しいものではありません。同時期に成立した能が悲劇をテーマにした重厚な歌舞劇であるのに対して、狂言は滑稽を旨としたコミカルな会話劇、つまりコメディ(喜劇)です。普通の芝居のように大掛かりな舞台装置もなければ小道具も数えるほどしかなく、一本の扇が盃や筆になったり、動物の鳴き声ですら演者が声で表現したりと、多くの描写が観客の想像力にゆだねられます。名もなき庶民の目線で現実の社会が描かれた物語には、朗らかな笑いからシニカルな笑いまで、多彩な「笑い」がちりばめられています。その根底にあるのは、人間賛歌。舞台上で喜怒哀楽する人々の姿は時を超え、今を生きる私たちの共感を誘います。室町時代のコントともいわれる狂言が繰り広げる、和やかな人間ドラマにぜひ触れてみてください。 |
▶代表曲 |